千影が見た風景 第3章 その3

 

「今日は何を期待しているのかな? 待ち遠しくてしょうがないでしょう」

「…………あ、ああ、あう」

 やさしく頭をなでながら聞いてやると、千影は哀しげに声を漏らした。もう全てをあきらめたのに屈従の言葉を吐くのは耐えがたかった。時間は無限に等しくあるのだから無抵抗の千影に言葉と指で弄んでやる。

「どこの穴がいいのかな。お尻の穴が寂しいでしょう。それともこっちかなぁ」

「はい……。どっちも好きです。ちかのどっちの穴もたくさんいじめてください」

 石床にうなだれて感情の無い言葉を残す。

「もっと、もっといってごらん。あなたが心から何をされるのを望んでいるの?」

「ちかに首輪をはめて散歩に連れてって下さい。それでお尻にたくさん鞭をください」

 一言もよどみなく恥ずかしい言葉を言う。女調教師はここ数週間の調教の成果に残忍な笑みを浮かべて、千影の髪をやさしく子犬をみるように撫でてやった。

「そんなことを望むのかい。だいぶ正直になった。わたしは飼い主だから犬が喜んでやるためにいっぱい可愛がってやるよ」

 冷たく楽しそうな声。恐怖で人を従わせて心から楽しそうにしている。

「はい………」

「どんな色の首輪がいい?」

 背中を滑らして尻の割れ目から中央の穴に人差し指をねじりいれる。常に強大な異物を挿されている桃色の蕾は簡単に指を沈む。

「はぐぅ……あ、赤の首輪」

「赤、血の色。呪われた禁忌の色。あなたらしい。とても良く似合うかも」

 尻の穴を指先で引っ掻く。

「犬らしく、首輪をはめてお尻を振りながら歩きたい? 鞭で打たれて、鎖で引かれて四つん這いで散歩したいのね?」

「はい」

 千影はうなだれてうなずくのみ。石床に涙が数滴落ちる。

 屈辱と恥ずかしくて頬を薔薇色に染める。女調教師の指先をキュンキュンと尻の穴の筋肉で締める。

「犬に……犬になりたいのよね」

「はい!! ちかはめすいぬになりたいです」

 薄暗い地下室を見上げながら、涙をあふれさせて千影は嘆いた。なにもかも諦めて暗い地下から上を見上げて叫んだ。

「かわいいよ。とてもかわいい。感情を殺そうとして、なにかも奪われたのに屈辱に震えて叫ぶおまえ」

 支配者として君臨する喜びとは、弱者を蹂躙することなんだから、楽しみはつきなかった。

 

解説

連続。連続。がんばろぉー

千影は処女ではないです。

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