千影が見た風景 第3章 その4
(前回の話をまるで無かったかのような回想シーンの始まり)(時間軸で言うと2章10の後から4日後くらい)
「大分、生活にも馴れたかしら?」
朝、地下牢としか言いようが無い千影の住む世界は寒い。連日の調教で疲れきった身体は休息を欲し、泥のように眠るが、日が昇る前には寒さで目が覚めてしまう。芋虫のように寝床である棘だらけの藁袋の中で寒さを凌ぎながら女が来るのを待つのだ。
「…歳を取ると朝が……早くなると……いうな…ふふっ」
重い音を立てながら欠損した四肢で立ち上がる。
「馴れたようね。快楽で自意識を飛ばして犬にすると壊れるのが早いのよ。肉体的ダメージとか希望とか無くしちゃうと、後は気持ちいいってところしか反応しなくなるから。苦痛と恥辱で心を折ってあげるわ。」
「…随分と…しゃべるな……それも私の心を折るため……かな?」
さも興味もなさそうな顔で千影を見下ろしてから女調教師は後ろに控えていたマネキン人形に調教の準備をさせる。本人は用意させた豪奢なソファーに足を組んで座った。
十分はそうしていただろうか?
千影は女に観察されるのが、恥ずかしさを覚えたが「やめろ」と言ったところで無駄だろうから諦めて冷たい石床に四肢を丸めて横になった。裂けるような冷たさが柔らかいが黒く汚れた肌を刺す。
温もりが逃げないようにじっと動かないようにしている姿は怪我をした美しい野生動物のようだった。
「準備ができたわ」
台車を転がす音と煮えたぎる鍋の音が耳に届いた。
見上げればマネキンの一体が焼けた石の上に鉄製の壷を載せた台車を引いていた。
千影からは見えないが壷の中はドロドロに溶けた茶色の粘性の強い液体が煮えたぎっている。細い鉄棒で女がグルグルと回して持ち上げると糸を引いて伸びた。
「これは躾の道具。頭の悪い犬の背中とかに垂らすの。もちろん『とても』熱いわ」
女は鞭を振り上げて千影の背中や尻に次々と振り下ろした。
「きゃぁ!」
はって逃れようとしてもしょせんは無駄だ、ゆっくり歩いてきて鞭を振り下ろされる。
「くぅ!」
「ぎゃん!」
声を出すまいと口を結んでこらえても打たれれば悲鳴は漏れる。理由無き鞭打ちの罰は千影を躍らせるかのように続けられた。
「いつぁ!」
まるで追い立てるように部屋中に悲鳴が響く、もちろん誰一人助けに来るわけがないのだが…。
「さぁ。今度は垂らしてあげる」
いつのまにか台車の前まで転がってきた。ひりひりと痛むが泣くほどの痛みはない。息だけが激しく肩だけが上下しながら、少しでも離れようとジリジリと部屋の中央へと逃れようとする。
女は小さなポット…それにしては頑丈で攻撃的なデザインだが、それを持って手の中で転がして少し冷やしてから千影の背中に傾けて注ぎ口からドロドロに溶けている液体を垂らした。
「ひぃ!? か…あっぅ!!」
千影の口から初めて女の悲鳴があがった。
ドロドロに溶けた液体は蝋燭のように点のように落ちて冷えるのではなく、ドロドロに溶けたまま背中の背骨沿いに垂れて一直線にお尻の谷間に落ちて、恥ずかしい穴を焼くとそのままの勢いで股の間にある割れ目を炙って臍の下辺りから石床に垂れた…。
「かっ…かはぁ…はぁ」
「どう? 聞くでしょ」
ドロドロに溶けた液体はまだまだ大量に残っている。
解説
前回までの自分の文章を読み返して…日本語は正しく使おう。漢字をもっと使おう。
マジで続けていくのが辛くなって来た。(えー
いや、頑張りますよ。
しかし…自分で書いておきながら思うがシスプリじゃないなぁ方向を少しずつ変えよう…。せめて千影に読めるぐらいにしなきゃ。