お散歩テッサたん

 

「ねぇ、いつまで寝てるのよ」

 マオが軍人の厳しい目つきでベットに横たわる少女の尻を平手で叩いた。

 窓のない機密性のある部屋。テッサのかわいい子供である『トゥアハー・デ・ダナン』の中に居るのが目覚めかけた意識の中で気づいた。

 テッサは上体を起こしながら昨晩のことを思い出していた。

 みなれた親友だった。もはや過去形にすぎない彼女の部屋はいつもとかわらない。ただ、数時間前に使われた鉄棒とロープが転がっているのを見るといまわしい記憶を思い出さずにはいられなかった。

 手首や肩には強くつかまれた内出血の跡。全身を覆うキスマーク。髪はボサボサになっている。

 唇を拭うとマオのディープキスの感触だけが強く残っていた。

 ふと、ボサボサ頭の堅物で鈍感で彼女の部下だけど同い年の少年のことを思い出すと涙がこみ上げてきた。

「ふん、朝っぱらしめっぽい感じ」

 苦々しそうにマオはタバコに火をつけながら、うんざりした口調で言った。

 マオは放心して泣いているテッサのプラチナブロンドの髪を無造作につかんで、引きずって通称『棺おけ』と呼ばれるシャワー室に押し込んだ。

 蛇口を捻ると水じゃないけど、お湯でもないシャワーが高圧で叩きつけるように振ってきた。

 

 一時間が過ぎようとしていた。

「なに、いつまで入ってるんだい!!

 マオは、イラつきながら棺おけの扉を開けて、床に膝を抱えて丸くなったテッサを引きずり出した。

 バスタオルで乱暴で水をふき取ると、スカートとシャツを足元に置いた。

 考えるのがおっくうだった。

「あの…下着は…」

 今日、初めての抗議が弱々しい質問だった。

「ないよ。嫌なら裸で歩いてもらうだけ出し、あたしゃかまわないよ」

「そんな…」

 だまってうつむいているとマオの平手がテッサの頬を三回打つ、言葉はいらなかった。彼女は暴力のプロで振るわれた方は使う側の人間ゆえに抵抗の空しさを知っていた。

 膝上30センチ以上はある超ミニスカートと男物のYシャツだった。

 ウエストが細く、いくら引っ張ってもギリギリ股間の間は見えてしまう。

 胸は生地が薄く、乳首の突起もはっきりと浮かび上がっている。

 

「うおぉ」

 クルツがノックもしないでマオの部屋に入ると、場末の娼婦のような格好をした艦長と鉢合わせてした。

「とてもセクシーですね艦長…」

 マオの裏拳がクルツの鼻下にヒットした。

「アハハ、ばれちまったよ。適当に脅して遊ぼうかと思ったけど、そうはいかなくなっちまったよ」

 マオは壁に寄りかかって声を殺して笑っていた。

「さーて…何処まで行けるか知らないけど逃げてみるかな…」

 マオは手早く、枕下に隠してあった拳銃と同じく枕を何処に持っていたかわからないナイフで枕を切り裂いて輪ゴムで纏められた100$札の束をいくつか取り出してポケットにしまった。

「さぁ子猫ちゃん死にたくなかったらスカートまくって足を開いて、時間はあるんだかないんだかわかんないけど、無駄に捨てていいもんじゃないわ」

 銃口を胸先に向けた。

「やめて…私は何も言わないわマオ」

 激鉄を起こした。

「わかったわ…」

 テッサは震える手でゆっくりとスカートを持ち上げて、足を肩幅に広げた。

 恥ずかしくてマオの方を見ないで視線を横に向けた。

 マオは銃口を向けながらゆっくり近づいて机の上に散乱している釣り道具の中から仕掛け餌を一つ取り上げた。

 テッサの前に立つと器用に指先でクリトリスを探し当てて、包皮を親指と人指し指で剥いてやる。

 膝がビクビクとしびれた。

「どうゆうつもりですか?」

「こうゆうつもり」

 指をキュッと上げた。

「ヒッ!!

 仕掛け餌は小さい突起を縛るテグスだったのだ。

 マオはしっかり縛るようにグッグっと上下左右に引っ張って感触を確かめる。

 

 

 

 

 

 

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